耐火レンガへのクロム粉の応用
耐火レンガにおけるクロム粉の応用は、主に以下の点に反映されています。
1. マグネシアクロム耐火レンガを製造するための中核原料として
マグネシアクロムレンガの製造:クロム粉をマグネシア砂と混合した後、高温で焼成してマグネシアクロム耐火レンガを形成します。このレンガは、高温安定性とアルカリスラグ侵食に対する耐性に優れています。鉄鋼業界の鍋スラグラインで広く使用されており、高温スラグ侵食に効果的に耐えることができます。
クロムコランダムレンガの製造:クロム粉をアルミナと組み合わせ、高圧成形と高温焼結によりクロムコランダムレンガを製造します。高純度、高強度、優れた熱安定性を備え、ガラス窯ライニングや溶銑前処理装置などの高温環境に適しています。
2. 材料特性を向上させる添加剤として
緻密化焼結を促進 :クロム粉を添加すると、耐火レンガの塑性成形が促進され、成形密度が向上し、焼結中にアルミナと固溶体を形成し、耐熱衝撃性とスラグ侵食耐性が向上します。
スラグ耐性の向上:クロム粉は化学的に安定しているため、酸化鉄などの物質との反応を防ぎ、耐火レンガの溶融金属やアルカリスラグの浸透に対する耐性を大幅に向上させ、砂の付着欠陥を軽減します。
3. 応用シナリオの拡大と性能の最適化
高温工業炉 :クロム粉ベースの耐火レンガは、鉄鋼やセメントなどの産業の高温炉ライニングに使用され、1900°C以上の温度に耐えることができ、長期の高温操作のニーズを満たします。
熱伝導率と体積安定性 :クロム粉の高い熱伝導率は、熱の均一な拡散を促進し、局所的な熱応力を軽減します。加熱時の安定した体積特性により、熱膨張と収縮による耐火レンガのひび割れを回避し、耐用年数を延ばします。
4. 特殊機能性耐火材料の開発
クロム粉は、複合耐火キャスタブルや吹付材の製造にも使用できます。耐摩耗性と高硬度を兼ね備えているため、ゴミ焼却炉や水石炭スラリーガス化炉といった過酷な使用条件における耐摩耗性要件を満たすことができます。
これらの用途を通じて、クロム粉は耐火レンガ分野における高温性能、機械的強度、耐久性の総合的な向上を実現し、現代の高温産業に欠かせない主要材料となっています。